The sun rises again.

フィクション

悪意

昨日あったことを書きたかったのだけれど、先程起こったことが僕の中で収まりがつかないので書く。

 

ランニングして帰ってきていると、目の前に車椅子に乗った爺さんがいた。彼は煙草を吸っていて、それを道端に投げたのだ。そして僕はそれを見た。

僕は基本的にこういう、公のルールを守らない人が本当に許せない。そういう質だから、爺さんに向かって本気で睨みつけてしまった。それこそ殺してやるぐらいの勢いで。

かれは罰が悪そうにその場を去っていった。映画とかだったら「おい爺よく聞け、てめえの家なら何をやろうが勝手だしその足は気の毒だ。でもてめえがやったことは許せねえ。わかったか爺」ぐらい言うのかもしれない。それぐらい言ってもいいという気持ちもどこかにある。

でもその一方で、言うてしまえば煙草一本で、そこまでの憎悪がでてきてしまう自分の心の余裕のなさに唖然としたのである。だまって捨てられた煙草をゴミ箱に捨てるぐらいでいいじゃないか。なにも殺すような目線でしかも爺さんを見なくてもいいだろうと。お前は相手がチャラチャラした若者だったら同じことをしたのか?と。

その答えには今は答えられないけれど、どんな相手であっても「おいこら」とまでは言わなくとも、せめて目線だけでも僕は貴方を嫌悪しています。という表現をするそんな勇気を持ちたいと思った。