The sun rises again.

フィクション

張り合い

もう駄目だあってなって、会社を休んでしまったのはもう何度目だろうか。特に何が否になるわけでもないのに、会社に行くことができなくなってしまうんだよな。

いや理由ははっきりしているのかもしれない。それは僕が会社に行っても、別に行かなくっても、特に何も変わらないということを僕がよーくわかってしまっているからなのだった。別に行っても行かなくっても、いてもいなくっても、大して変わらない。僕がいなくても仕事は回っていくし、会社は回っていく。それでも別に僕が会社の中で地位がないとか、そういうわけじゃないんだ。むしろちょっと尊敬というか、あいつはできるやつだと思われているフシすらある。それ故に、別にちょっとばかりサボっていようが何していようが、何も言われないし、逐一仕事の内容を監視されるわけでもない。だから、日々の仕事はきっちりとタスクが決まっているわけではなくって、僕ができることを見つけて、自分でやることになる。そうなると、僕のインセンティブというか、働く意欲って何なんだろうと思うと、それは会社の利益ということになるのだろうけれど、別に会社が儲かったところで、僕の給料は上がるわけではない(すぐにはね)し、株を持っていてその価値が上がるとかもない。ようするに僕の仕事は完全に僕のやる気に完全に委ねられているわけだ。そりゃ、やる気は出ないよね、という話です。

 別に仕事内容が嫌いなわけじゃないんだよ。むしろ好きだ。天職だと思っている。これ以上に楽しい仕事はないと思う。それに、やりたいことはやらせてもらえるし、残業が多いわけでもない。でもなんというか、張り合いがないんだ。僕が頑張ったところで、何かができるわけでもないし、頑張らなかったところで、何かができないわけでもない。

要するにいてもいなくてもいいんだ。悲しいことに。

ヘビーに仕事して、しんどくなって、働けなくなることもわかるけれど、こうやって仕事に張り合いがなくなっていって、段々としんどくなっていくのもあるんじゃないかなあって。とても思うのであります。