The sun rises again.

フィクション

庭の美しさ

前日に、Y氏から連絡があった。明日京都に紅葉狩りに行くから一緒に狩らないかとのことである。正直僕はその時点でかなり酔っ払っていて、明日もこれが残るだろうから、あまり家から外に出たくはなかったのだけれど、断るのもあれだったので、昼から一緒に出かけることにした。

2時頃合流し、大徳寺へ。大徳寺の中にはたくさん寺が入っている。その中でも最も有名、というか観光地として宣伝されているのが高桐院である。Y氏もそこに行きたいとのことであった。

高桐院は僕も好きで、たまに大学とゼミがないどうでもいい平日で、ちょっと気分を入れ替えたい時などに、遊びに行っていた。どうでもいい平日なので、全く人はおらずしかも別に紅葉シーズンでもなんでもないので、ただ青々と茂った竹林と木々と苔があるだけである。僕はこの庭がとても好きだった。

しかし今日見た高桐院は人が一杯で(当たり前である)ゴミゴミしていて、そして紅葉もあまり奇麗ではなく、端的に言えばがっかりだった。清潔さにかけていた。ただ雑然と京都じみたものが置いてある、そんな印象を受けたのである。

一方で、適当に入った寺(名前すら忘れた)はとても奇麗だった。

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まず誰もいないというのもあるし、庭自体もあまり派手な紅葉があるわけではなくて、しらすなと苔の島がある、とても質素なものだ。僕はこちらの方が美しく思えた。切り落とされた美しさというか、整理された美しさ、秩序がそこに見いだせたのである。(というと大げさか)

晩はお気に入りのやきとん屋がしまっていて、次に行った九州料理の店もしまっていて、ええい今日はついていない!と叫びながら、普通なら絶対行かない地下にあるスペイン料理のお店に入った。はいると40席ほどある天井の以外に高いお店で、客は夜の18:00を回ろうというのに誰もいない。これはやってしまったかと思ったが、出て来る料理はどれも丁寧に調理されていて、とても美味しかった。美味しすぎたのと腹が減っていたのもあって、二人でもりもりと食べまくった。最後に出てきたイカスミのパエリアも絶品であった。

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たまには食べログとかそういうのを見ずに挑戦するのも良いなと思った。よい日曜日である。