The sun rises again.

フィクション

堕落論、大阪の反逆

どちらも坂口安吾の短編の一つである。両方共に新潮文庫の「堕落論」に収められている。

坂口安吾の思考が僕はとても好きで、一番最初に読んだ時はとても衝撃を受けた。確かアルバイトに向かう途中の電車で読んでいたのだけれど、これはすごい本を見つけてしまったという気持ちでいっぱいになってしまって、バイト中もずっとそのことを考えていて仕事が手につかなかったのをよく覚えている。

何度目になるかわからないけれど、今日再び読み返した。やはりすごい本だと思った。明確であり、かつとても確信を付いていると思う。

 

「虚無は思想ではない、人間に付随した精神であって、思想とはもっと個人に属するものであってもっとオッチョコチョイである。」だったり、共産主義世界連邦主義に対して「国がなくなっても個々人の対立は永遠になくならないことは事実であり、それらの思想が果たして人間が幸福になりえるのか?」であったり、人間とはどういういきものであるのか、ということを真摯に考えている用に思える。

 

これをまるまま自分にコピーするのは違うと思うけれど、この安吾の考えをたたき台にして、自分の考え方を洗練させたいなと思った。読書の夏。